決まり字が1文字目である歌7首の記事を以前書きましたが(むすめふさほせ ・・・はて、下の句は?)、では、決まり字が最も遅く出てくる歌は何でしょうか。
決まり字が一番遅く出てくる歌は、6文字目が決まり字の歌です。3組(6首)あります。
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに
よしののさとに ふれるしらゆき
あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに
あらはれわたる せぜのあじろぎ
きみがため はるののにいでて わかなつむ
わがころもでに ゆきはふりつつ
きみがため をしからざりし いのちさへ
ながくもがなと おもひけるかな
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの
くもゐにまがふ おきつしらなみ
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと
ひとにはつげよ あまのつりぶね
決まり字が6文字目、ということは、五・七・五・七・七の最初の「五」が全く同じなんですね。
紛らわしいので、お手付きしないようにご注意ください。
紛らわしいついでに、下の句が似ているものを挙げてみます。
あきのたの かりほのいほの とまをあらみ
わがころもでは つゆにぬれつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ
わがころもでに ゆきはふりつつ
なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ
みをつくしてや こひわたるべき
わびぬれば いまはたおなじ なにはなる
みをつくしても あはむとぞおもふ
「きみがため はるの~」がまた出てきましたね。
この2組は取り札が似ていますので、要注意です。
あと、下の句が「ひと」で始まる歌はかなり多いです。お手付きしないように、札の場所を覚えるときによく確認しておきましょう。
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